愛のうた。
「沙知は、元彼が好きなのか?」

驚くほど小さな声。

目の前の尚は、もう違っていた。



まるで捨てられた猫のように、
弱々しく、怯えてるように見えた。


そんな尚を、私はさらに痛めつけている。



なのに、
なのに。



答えは決まっていた。


私はやっぱりシュンが好きだ。

ずっと忘れられなかった。

尚と居る時も、いつ何時も、



私はシュンが好きだったんだ。




静かに小さく頷く。


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