愛のうた。
尚はずっと一人ぼっちだった。

家族もいない。
大切な人も失った。

孤独で満ち溢れた哀しい人間だった。


だけど、私が尚の心に光を当てられたならば。

これからも尚の光になり続けたい。


そうしないと、また尚は暗闇を彷徨い続けてしまう。


そんな尚を、一人に出来ない。




尚に寄り添う、それが幸せ。

私の一方的な行動で尚を失いたくない。



尚の笑顔が消えてしまうのは嫌・・・。




だから、・・・。



「私、尚の傍に居る」

そう決心した。

心に決めた。



そっと尚の手を握る。


これが私の答えなの。


尚とシュン。

究極の選択だった。



どちらかを選べば、
どちらかが傷つく。



二人が笑顔になる方法はない。



私は、尚を選ぶしかない。


ごめんね、シュン・・・。



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