愛のうた。

ポロっと涙が零れ、
握りしめた二人の手に落ちた。


その光景に、自分が心に嘘をついてる事に気付いた。

それは尚も同じ。



尚が私の手を、するりと離した。



「・・・尚？」

「それで沙知は本当に幸せなのか？」



・・・っ・・・。




私は唇を噛み締める。

泣かなきゃよかった。


泣きさえしなければ、
尚はこんな事言わなかったよね？


笑わないと、尚が安心できないよ。



「幸せになれないだろ・・・？」

「違う、幸せだよ。
尚との思い出は私にとって大切な思い出だよ。
私は、尚を裏切らないから・・・」



尚がぎこちなく笑う。

無理してるの見え見えだよ・・・。


「元彼のとこ、・・・
行けよ」

「違う、違うよ尚!!」