愛のうた。
-ガラッ

「おはよーう」

すでに4人は集まっていた。


でもその誰もが無表情で黙り込んでる。



「皆、どうしたの・・・?」

私がそう言うとナナが口を開いた。



「あたしたち・・・
沙知とシュンが手繋いで登校してたの見ちゃったんだ。
・・・まさか、
尚さんと別れたってことじゃないよね??
沙知・・・そうだよね!?」



不安そうにそう言うナナ。


本当の事、言わなきゃ・・・。



「ナナの言ってる通り、
尚と別れてシュンと付き合った」


4人全員が顔色を変える。

その空気に私の足が震える。



「・・・っなんで?
なんであんな裏切り者なの!?」


それは怒りに満ちた声。

ナナは尚を誰よりも頼りにしていて、
誰よりも尊敬していた。



「アイツが沙知を傷つけたんだよっ!?
あんな沙知・・・見てられなかった。
全部アイツが裏切ったせいだよ・・・。」


「シュンは裏切り者なんかじゃなかった!
それには理由があって・・・--ッ!!!!」



バンッと音とともに、
ナナが持っていたスクバを地面に投げつけ、

私を叩いた。


頬に痛みが走る。



その光景に、ユキとヨウタが目を見開き、
クラスメートの視線を浴びた。


「最低っ!!
沙知は尚さんと出逢って、幸せになれると思ってた。
そんなに裏切り者がいいの!?
ねぇ、どうしてよぉっ!!!!!」


ナナは大泣きし、教室から出てしまった。


クラスメートの囁き声が響く。

私はその場にへたりついて、
茫然としていた。

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