愛のうた。
すると・・・

息が、苦しい。



私、・・・立ってる?

ノゾム君が私の胸ぐらを掴み、
私を持ち上げていた。


「ノ、ノゾム君っ!
・・・やぁ、やめて!」


「何でだよっ!?
俺、シュンに裏切られた時
すんげー哀しかった。
もう、信用しないって決めたんだよ。
沙知ちゃんはアイツといるより、
尚といた時が笑顔だった。
なのに、なのに・・・!!!」


ノゾム君の瞳が槍のように
私を睨みつける。


「おい、ノゾムやめろって!!
さっちんが死んじゃうよっ」


ヨウタが割入って、ノゾム君を止める。


一気に酸素が流れ込み、激しくむせた。



「げほっ、げほっ・・・ノゾム君」

「ざっけんな!!!」



ノゾム君が思いっきり近くのイスを蹴り飛ばす。


「沙知ちゃんには失望したよ」


いつもは温厚なノゾム君は
そう言い放つとナナを追いかけるように
教室を出た。

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