愛のうた。
葬式と告別式は思いのほかあっという間に終わってしまった。

火葬場から出てきたシュンは小さくて。
もう、今までのシュンの面影はどこにもなくて。


ただ、小さな骨になっていた。


「俊太郎・・・」

「シュン・・・」


誰もが涙してる。この変わり果てた姿に。

だけど、私だけ泣かなかった。


泣けなかったんだ。




まだシュンが死んだなんて信じられない。
信じたくもない。


シュンはまだ私の隣にいるんだよ。
傍に居るって、約束したもの。

無邪気な笑顔を私に見せてくれて。
ぎこちなく手を繋いでくれて・・・。



だから涙なんか出ないよ。
シュンはずっと私の心の中で生きている。



死んでなんかいないんだから・・・。




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