愛のうた。
残りの冬休みはただ家に引きこもった。

進路だってあやふや。
勉強も手につかない。

それくらい、精神がボロボロだった。



ひたすらベランダを見続ける。

なんでシュンは生きてるのに、
部屋が真っ暗なの??


また、おしゃべりしたい。
・・・声が聞きたい。


現実逃避をし続ける毎日だった。




「沙知、いいかげんに現実を受け止めよう?
もう・・・シュンはいないの」

「いるよ!!いるんだもん!!」

「沙知っ!!!!」


ビクっと体が震える。


「笑顔で生きよう?
その方がシュンも喜ぶよ」

「・・・・・・。」




笑えないよ。
シュン死なせて、私だけ幸せなんかになれない。
だって、私がシュンを殺した。
私なんかとデートなんかしなければ、
私なんかと出逢わなければ。

シュンは死なずにすんだ・・・??


私がいなくなれば、
シュンに逢える?


もう、こんな世界から逃げ出したい。
シュンに、逢いたいよ。


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