愛のうた。
「愛のうた。」沙知side
“メアド交換しねぇ?”
恋が生まれた瞬間。

“沙知のことが好きだ。”
“俺よりナナばっかりでさぁ~”
性格は乙男。

“別れよう。”
初めて恋の辛さを知って。

“愛してる。”
好きよりも重くて・・・
切ない言葉。



あんなにも近くにいたのに…
傍にいたのに…







―1月


学校が始まった。
何一つ変わらない教室。
笑い声が絶えない教室。

でも私は重苦しいよ。
なんで、皆笑顔で過ごせるの??


「突然ですが、
12月25日に3年5組澤俊太郎が交通事故で亡くなりました。」


吉岡先生が気の毒そうにそう言う。


これは私・ナナ・ユキ・ノゾム君・ヨウタの
5人しか知らないこと。



「嘘・・・っ」
「あの澤が!?」
「…マジで」
「俊太郎が…」

一瞬にして教室がざわつく。
中には泣いてる人もいた。

シュンは人気者でモテるからって、
嫌ってた人もいたけど…
やっぱり皆、好きなんだ。


ヨウタは机に顔を埋め、
ユキは手のひらで顔をおさえて、
ナナは唇を噛み締めて、
ノゾム君は無表情。


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