愛のうた。
…シュンがいないとこんなにも変わってしまうんだね。
誰もが、シュンを必要としてる。
シュンじゃないとダメなんだよ。
他に、代わりなんていない。






私は屋上で寝そべっていた。
ずっと空を見つめる。
ふわふわと浮かぶ白い雲。
…シュン、元気にしてる??
天国は楽しいですか?


私なんかと一緒にいなければ良かったんだよね。
付き合わなければ良かった。
地味でチビでバカなあたしとシュンが釣り合わうわけない。

でも……愛してるって言ってくれた。
その言葉でシュンがいなくても、
頑張ろうと思えたんだよ。


でもやっぱり無理…―



私は弱くて、泣き虫だから。
シュンがいないとダメなんだよ。
突然いなくならないでよ…
私をまた一人にしないで…


私は体育座りになると、
ただ泣いた。
泣いてもシュンが戻ってくれるはずなんかないのに、
大丈夫か?って頭を撫でてくれる気がして…


涙がアスファルトに落ちてシミを作る。


「シュン…」


あの真っ直ぐな瞳。
大きな手のひら。
爽やかな香り。
誰よりも空色が似合ってしまう。
体に、心に、
シュンが残ってる。

シュンと幸せになりたかった。
笑顔で過ごせるだけでよかった。
ただ…それだけなのに。
当たり前のことなのに。


なんで神様は私たちだけばかり、
不幸にするの?

幸せに…してくれないの??


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