愛のうた。
-シュンside-

「あー歩いた、歩いた。布団だそっと」

沙知たちが温泉に入ってる頃、俺とノゾムは松の宿でまったりしていた。


「お前、もう寝る気っ?」

「バーァカ、うたた寝だよ。ノゾムもすれば?」

俺がそう言うとノゾムも押入れから布団を出す。


「あ~もう、ナナ可愛すぎだよ」

「ノロケかよっ(笑)」

俺は布団を出すと布団に倒れこむ。



「だってよ、シュンだって沙知ちゃん可愛いだろ?
俺シュンのケータイの待ち受け、沙知ちゃんの寝顔だって知ってんだからな?」


「・・・っ///悪いかよ」

「別に、悪くはないよ。ところでシュン。沙知ちゃんのすっぴん見たことある?」

「あぁ、毎日。だってアイツ、ほとんどノーメイクだし」

「え?じゃあ、めっちゃ可愛いじゃん」

「だろ?ノゾムはナナの見たことねーの?」

「・・・。なんか俺に見せたくないみたい。あんなに可愛いのに」

可愛いとかよく恥かしくなく言えるな。


「風呂上がり見れるんじゃねぇの?」

「俺もそれを狙ってるんだ!」


-沙知side-

「はぁ~さっぱりしたぁ。」

私とナナは浴場から出て、レンタルした着物を着る。


「沙知、すっぴん?」

「うん、いつもそうだし」

ナナの手元にはメイクポーチ。

まさかお風呂上がりでもメイクするの~??


「ねぇ、ナナ可愛いし、すっぴんノゾム君に見せてあげなよー」

「可愛くないしっ!・・・でも男子って案外素顔が好きって・・・」

「うん、うん。大丈夫だよ!自分に自信持ちなって」


「そうだよね!頑張ってみる」

そして私とナナはすっぴんのままで廊下へと出る。

途中、売店でコーヒー牛乳を買って、休憩所で飲んでいる時。

これから温泉に入るシュンとノゾム君と鉢合わせになった。


「シュ~ン!!」

「あ、沙知」

シュンとノゾム君がこっちに寄ってくる。

「どうだった?温泉」

「うん、すごく良かったよ!」


そういやナナとノゾム君どうなったんだろ??


「わ、ナナすっぴん、めっちゃ可愛いー!」

「本当・・・?ありがと!」


人目も気にせずじゃれあってる2人を見てホッとする。


「なぁ、沙知はいつも俺にノーメイクでも大丈夫なわけ??」

「え、・・・シュン嫌だった?」

「は、ちっちげーし!俺はいつもの沙知が好きだしっ!」


照れて、焦ってるシュンを見て思わず笑ってしまう。


「なっ、なんだよ・・・!」

「別に何もないよ~(笑)」


私、今凄く幸せだ。


「シュン、先行くぞ」

「ノゾム、ちょっと待てよ!沙知じゃあな」

「うん。いってらっしゃ~い」

シュンとノゾム君は男風呂の中に入って行った。








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