愛のうた。
「あーもうお腹がいっぱい!」

「私も無理~」

「じゃあそろそろ部屋に戻るか」


私たち一行は部屋に戻る。松の宿で他愛もない話しをした。

「もうちょっとで1年も終わりかぁ・・・なんか寂しいな」

「俺、ナナと離れたくないよ!」

「あたしも!」

・・・・・・。


なんか2人についていけない。

ふと隣のシュンを見ると、寝てる・・・(泣)


「そういえば、シュンって昔どういう感じだったの?」

ナナは身体を乗り出して聞いてくる。


「えっと・・・昔のシュンは内気で照れ屋で可愛くて、
・・・なのに急に強くなって、問題児になって」

確かそうだった気がする。

「やっぱし、気づいてないんだ・・・」

ノゾム君がボソっとつぶやく。


「気づいてないって・・・?」


私は疑問に思い、ノゾム君に問いかける。


「だってシュンは小さい頃から沙知ちゃ・・・あ!やっぱ何でもない」

「・・・・・・??」

ノゾム君がそう言ったので私はこれ以上聞かなかった。


「そういや、ノゾム君って“相沢望”だよね?」

「うん、今さら?」

「ごめん、ド忘れ!」

私がそう言うとノゾム君が笑う。


「ノゾムとあたし、名前順近いね!“相沢望”と“粟野南名”
2年で同じクラスだったら席隣かも!」

「ほんとだ!凄いね~」


「クラス換え一緒になれたらいいな。う~ん眠みぃ・・・
もう寝るわ」


「そうだね。もう遅いし、ナナ桜に戻ろっ!」

「じゃ~ね~ノゾム~」


桜の宿へ戻るとナナはすぐに眠ってしまった。

私も布団に入る。でも、ひいたばかりの布団は冷たくてまるまった。

布団が体温で温かくなる頃には眠りに落ちた。
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