愛のうた。
別に・・・何もないよね?

自分にそう言い聞かせ、ユキのもとへ帰った。

そしてその数分後、シュンが戻ってきた。


「シュン、遅ぇぞ!何してたんだよ」

「わるい、わるい。レジが混んでてよ」

・・・・・!!


嘘、ハルカと話してたでしょ?


何でそんな嘘つくの・・・??

「沙知、行こうぜ」

シュンが手を差し伸べてくる。


別に話してただけだし、問題ないよね・・・??


そう思い、満面の笑みでシュンと手をつないだ。



私はまだ気がつかなかった。



シュンが考えている事、

この手の温もりも感じられなくなってしまう事、

シュンが私を裏切る事も、


知る由もなかった。
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