愛のうた。
「偽りの恋関係。」 沙知side
林間学校が終わると、学校は夏休みに入る。


ユキとヨウタは順調な様子。

そんな2人の幸せとは裏腹に、私は不安で仕方がなかった。


前よりもシュンとのデートもメールも回数が激減した。

2人で歩いてても無理に笑っている気がする。


はぁ、どうしよう・・・


大丈夫だよね。もっと自分に自信を持たなきゃ。




そして夏休みの最後の日。

私は文房具をそろえるために、町に出た。


今年の夏は猛暑でじりじりと太陽が照りつける。


やっとの思いで文房具店に着くと、適当に文具をカゴに入れ、レジでお金を払う。


店から出ると向かい側の店の前に、見覚えがある人物がいた。


あの黒髪・洋服、あれはシュンだ!

久しぶりのシュンに気持ちが高ぶり、驚かせてやろうと企む。



「・・・えっ、・・・??」

そんな考えは一瞬で消えた。

シュンの隣にはスラッと長い足に、ミニ丈のワンピ。

ミルクティー色の髪はふんわりウェーブが掛っている、モデルのような女の子。


誰だろう?友達?


その子はウィンドウのマネキンの服を指差し、シュンに何かを言っている。

気になって信号を渡り、気づかれないようにそっと近づく。


女の子の顔が視界に入る。

「・・・ハルカ!?」

なんで、ハルカがいるの??

そんなことで頭が一杯になってた時だった。

ハルカとシュンが腕を組む。

「!」



< 67 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop