愛のうた。
-沙知side-

シュンと一緒に登校するのを正直ためらった。

でもこのままじゃ前に進めない。

だから待つ事を決めた。


「シュン!!おはよう」

玄関から出てきたシュンに手を振る。

でもシュンは無表情。


「はよ。遅刻するから早く行くぞ」

小さな声でつぶやき、先に進んでしまう。

急いで後ろを追いかける。


いつもは手を繋ぐのに・・・

それすらしてくれないんだね。


少しでも近づきたくて、隣に居たくて、

私はシュンのシャツを引っ張った。


そんな事をしてると思わず本音が漏れる。

「私の事・・・・・・嫌い・・・・・・?」

「・・・っ・・・何でそんな事聞くんだ?」


シュンの言葉に“ハッ”と我に返る。

何してるんだろ。バカだね、私・・・


「ううん、何でもない!ごめんね、変な事聞いちゃって」

私、上手く笑えた?

シュンには心配かけたくない。



教室に入るとすでにナナ・ノゾム君・ユキ・ヨウタが席に着いていた。
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