愛のうた。
「沙知遅~い!もう、新学期早々ラブラブなんだから~」

ナナが大きく手を振る。


シュンは皆に挨拶をするとさっさと自分の席に座ってしまった。

「お、なんか沙知ちゃん可愛くなったじゃん」

ノゾム君がはにかむ。


「お世辞はやめてよ~」

とさらっと受け流す。

ありがとう。ノゾム君。

ノゾム君もシュンの事心配してるんだ。


お願い、シュン。理由を教えてよ・・・。

なんで私の事を避けるの?




「沙知。二時限目英語だって」

「あ、・・・うん」


私は急いで教科書とノートを取り出す。


「大丈夫?なんかボーッとしてるけど、・・・具合悪い?」

ユキが優しく問いかける。


「大丈夫だよ。」

「そう。ならいいけど・・・」


教室に入ると私は開いている席に座る。

いつもシュンの隣なのに・・・


シュンの隣はハルカ。

目が離せなかった。

あんなにハルカを嫌いだったのに、どうしてなの?


いくつく間もないまま、授業が始まる。

シュンが先生に当てられた。


「澤。この長文を読んでくれ」

シュンは英語が苦手で、いつも私が教えてた。

「俊太郎、こうだよ」

「あぁ、・・・さんきゅ」


今はハルカが教えてて。

なんでハルカに優しいの?

シュンの彼女は私なのに・・・

シュンとの距離が遠のざいてく気がする。

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