Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜
Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜

ーーーーーー
ーーーーーーーー…


ずっとずっと、好きな人がいる。


その人はいつも優しくて、穏やかな笑顔を向けて、


泣き虫な私の頭を撫でてくれた。


「うっ、うっ…

優兄ちゃん…お父さんはどこ行っちゃったの?

もう会えないの?」



「…咲、咲のお父さんは、お空の上に行ったんだよ。


お空の上からいつも、咲や美菜子のこと見守ってくれてるよ」



大きな手のひらが、私の涙を拭う。

目の前には、優しい笑顔があった。


「大丈夫。

僕がいるから。

これからはずっと、僕が守るよ。」




お父さんが亡くなったあの日、優兄ちゃんはそう言った。



その言葉は頼もしくて、優兄ちゃんは“お向かいのお兄ちゃん”から、



“世界で1番大好きなお兄ちゃん”となった。





< 1 / 39 >

この作品をシェア

pagetop