Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜
「咲!」
その声に、私も林田さんも動きが止まる。
振り向くと、そこには制服姿の涼がいた。
「涼…なんで…」
何故ここに涼が?
訳がわからない。
「誰?高宮さんの知り合い?」
林田さんが不思議そうに尋ねる。
「あ、えと、近所に住む幼馴染です」
「幼馴染?」
「帰んぞ、咲」
「えっ、ちょ、ちょっと涼!?」
涼が、私の腕を林田さんから奪うように取った。
「ちょ、涼ってば…
林田さんすみません、また誘ってください!」
涼に引っ張られながら、私は呆気に取られて見ている林田さんに向かって言った。
「びっくりしたぁ…。もう、何なの?なんで涼がいるのよ?」
2人でバスに乗り込むと、私は涼の腕をほどいた。
「も〜恥ずかしいじゃない。明日、林田さんに謝らなきゃ…」
林田さんの誘いを断れたのは良かったけれど、明日顔を合わすのが憂鬱だ。