Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜


「なんであんなとこにいたの?

しかも制服のままで…

涼、受験生でしょ?塾とかあるんじゃないの?」



「うちエスカレーターだし。一応試験あるけど、それももう終わった。」


「……あ、そ」


そうだ。

涼は幼稚舎からエスカレーター式進学校だった。



ちっ…、嫌味なやつ。

優兄ちゃんも頭良かったけど、涼が頭良いのは何か腹立つわ。



「で?どうして私の職場にいたの?

わざわざ迎えにでも来てくれたわけ?」


「そうだよ」



その言葉に、私は涼を見上げた。


「兄貴が、早く帰ってこいって。

俺らに話したいことがあるから」


「優兄ちゃんが?」


…なんだ。びっくりした。

にしても、わざわざ涼に私を迎えにこさせるくらいって…


「何だろ?私たちに話って」


「……さぁ?」


涼はさほど興味なさそうだった。




今日はお姉ちゃんも出かけるって言ってたし、


私と涼だけってこと?



何だろう…一体。




「ただいま」

「おじゃましまーす」


私はそのまま、涼と一緒に涼の家に帰った。

「おかえり。

あら、咲ちゃんも一緒?ちょうど良かったわ」

奥からおばさんが顔を出す。


“……あれ、これ…"


玄関先に、見覚えのあるパンプスが置いてあった。


「ほら、咲ちゃんも早くあがって。美菜ちゃん待ってるわよ」

「え、やっぱりお姉ちゃんもいるの?」


おばさんに促され、私は涼と一緒にリビングに向かった。


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