Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜
「涼〜おかえり〜!!」
「いちいち騒ぐなよ、うぜえな」
「兄ちゃんに向かってうざいとはなんだ!」
抱きつかんばかりに寄ってきた優兄ちゃんを、涼は払いのけた。
「咲もおかえり。
ごめんな、急に来てもらって」
スーツのジャケットを脱いだ優兄ちゃんが、私に笑顔を向けた。
「ううん、大丈夫…」
「咲、おかえりー」
お姉ちゃんがソファから手を振っている。
リビングには、優兄ちゃん、お姉ちゃん、
そしておばさんだけじゃなくおじさんまでも揃っていた。
そこに私と涼が加わり、あとはうちのお母さんがそろえば完璧だ。
「…何?どうしたの、一体」
私はみんなの顔を見比べる。
優兄ちゃんがお姉ちゃんの隣に腰を下ろすと、コホンと1つ咳をした。
「咲、涼…
あのな、
僕と美菜子、結婚することにしたんだ」
………え?
今、なんて………?
「2人にはきちんと話してなかったけど、
美菜子とはその…5年前から付き合ってて…な?」
「優ちゃんが家出るちょっと前くらいかなぁ?ね?」
優兄ちゃんとお姉ちゃんは顔を見合わせると、照れた様に笑った。