Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜
「あーぁ…こんなのって……」
…バカみたい。
優兄ちゃんはいつも優しいから、
いつも、私のことを気にかけてくれるから……
いつか、好きになってくれるんじゃないかって…
幼馴染としではなく、
妹としてではなく、
いつか女として、見てくれる日が来るんじゃないかって……
私はきっと、どこかで期待してたんだ。
15年以上想い続けてただけで、気持ちを伝える勇気もなかったくせに…
いつか振り向いてくれるって……
いつかきっと叶うって……
“想ってるだけの恋なんて、時間のムダよ!”
そっか…ミカが言ってたことって、こういうことなんだ。
伝える勇気がないのなら、
好きになる資格なんてないってこと。
恋なんて、するなってことか。
……私って、ほんとバカだなぁ…。
「咲、入るぞ」
「きゃっ!ちょ、涼?!」
突然、ノックもせずに涼が部屋に入ってきた。
制服から着替えた涼は、ベットに倒れこむ私を見るとやっぱりという様に小さくため息をつく。