Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜
「やめてよ、子どもあつかいするの。
私ももう23だよ?もう立派な社会人ですから」
「ごめん、ごめん」
優兄ちゃんは昔から変わらない笑顔で謝った。
つられて私も笑顔になる。
「あれ、兄貴」
その時、優兄ちゃんちから制服姿の涼が出てきた。
私でも知ってる、都内でも有数の進学校の制服だ。
「涼、兄ちゃんが帰ってきたぞー!」
「やめろよ、朝から鬱陶しい」
抱きつこうとする優兄ちゃんを、涼は顔をしかめて制する。
「つれないなぁ…兄ちゃんがいなくて寂しかったんだろ?
僕も涼に会えなくてさみしか…って涼!」
優兄ちゃんの言葉を無視して、涼はスタスタと行ってしまった。
「重役出勤?お前っていつのまにそんな偉くなったの?」
私を一瞥すると、そう吐き捨てるように言った。
涼のその態度にイラっとして腕時計に目をやると、一気に青ざめた。
「あぁっ!遅刻!じゃね、優兄ちゃん!」
「気をつけるんだぞー!」
優兄ちゃんに手を降ると、私は涼の背中を追いかけた。