これは、恋じゃない。(完)
………。
私はゆっくりと窓の外に視線を向ける。
「………こ、こわい…。」
「苦労するよね、みさ。日向とちょっと話すだけでコレ。御愁傷様」
紗耶香は苦笑いだ。
日向くんはきっと気付いてない。
話してる間中ずっと、日向くんと私に向けられていた好奇の視線。
何であんな子が?っていう目。
いつまで経っても慣れない。
「て言うか、みさ、3人で会うって…大丈夫なの?」
「え?あ、うん…。鈴ちゃんには会いたいし…」
「お人好しだよねぇ」
「そんなことないよ。私はズルいだけだから。いい加減、他に目を向けなきゃいけないのにね?……鈴ちゃんが帰ってくるの、いい機会かもしれない」
日向くんのことを諦める、いい機会。
「みさ~」
紗耶香が私に抱き付いてくる。