これは、恋じゃない。(完)
――…
3人でランチした後、某コーヒーショップに入って、まったりとおしゃべり。
3年ぶりとは思えないくらい、話は弾んだ。
でも、話は私が一番避けたかった方向に行ってしまったんだ…。
「今日絶対聞こうと思ってたんだけど…美里って彼氏いないんだよね?」
突然の鈴ちゃんの問いかけに私は焦る。
「えっ、う、うん…いない、ね」
な、何でこんな話にぃぃ…。
ここでは一番避けたい話題なのに…。
「だよね!良かった!じゃあ、好きな人は?」
「へっ!?いや~あの………」
私はいい回答が思い付かなくて、つい無言になってしまった。
『いない』って一言言えばいいのに、口が動いてくれない。
「鈴。平野困ってんじゃん」
日向くんは苦笑しながらも、助け船を出してくれる。
私がホッとした時。
「彼方だって知りたいでしょ?」
「へっ!?」
私はつい声をあげてしまった。
す、鈴ちゃんっ!?
何を言い出すの!?