これは、恋じゃない。(完)
―――…
昼休み、ご飯を食べ終わった後のまったりタイム。
窓から差し込む光が暖かくて気持ちいい。
「あらー…日向、相変わらずモテるねぇ」
友達の紗耶香がいつものように呟く。
「その言葉、もう飽きたからやめて…」
私はハァとため息をついて答える。
窓の外に向けていた目線を教室に移すと、一際大きな集団が目に入ってくる。
その中心には日向くん。
……私の、好きな人だ。
私はその集団に入ることもなく、遠くから見ることしかできない。
一応、日向くんと私は幼なじみってやつなんだけど…そんなこと、ここにいたら関係なくて。
きっと、ただ同じクラスにいる女子の一人、っていう存在でしかない。