これは、恋じゃない。(完)
――…
…もぉぉ、私のバカぁぁぁ!
何でもっと上手く、あの場所から抜け出せなかったの?
絶対不自然だったよね!?
逆に心配かけちゃってるかも…。
うぅ…。
いろんなことにうまく対応できない自分が嫌になる。
あのことだって…『ホントに好きな人なんていないんだよ』って、たった一言言えば良かったのに。
でも言ってしまうと…数年間想い続けてきた私の気持ちを全部否定するみたいで……言えなかった。
結局、この気持ちを封印することなんてできないんだ。
きっと、違う人を好きになれる日が来るまで…この気持ちは消えてくれない。
でも、そんな日来るのかな…。
日向くん以外の人を好きになれれば…なんて、何度も考えたけど、無理だったから…。
自分じゃどうすることもできない。
私はずっと、立ち止まったままだ…。
「―――野!平野!」
「!?」
私を呼ぶ声に振り向く。
日向くん…!?