これは、恋じゃない。(完)
「………わかんない…。日向くんにとっての女の子は…鈴ちゃんでしょ…?だから、私は…日向くんを諦めなきゃいけない……っ!」
私は咄嗟に口を押さえた。
つい口に出してしまった言葉。
日向くんは私を見て、驚いた表情をした。
――ずっと隠し通してきた私の気持ちに気付かれた。
「…嘘。マジで?……待って、ヤバい…」
日向くんはそう言って、手で口元を押さえて、俯いてしまった。
そのせいで、日向くんの表情が見えない。
…きっと困ってる。
やっぱり伝えちゃいけない想いだったんだ。