これは、恋じゃない。(完)
私は日向くんについて歩き出す。
…今はまだいい。
知ってる人少ないし。
でも、学校に一緒に登校……って、大問題…!
私は悶々と考える。
チラッと日向くんを見ると、日向くんも私を見ていた。
「まーた、余計なこと考えてるだろ」
「――う、だって……。ていうか、この状況、私が信じられない…んだけど」
一回寝ちゃうと、昨日のことは夢だったんじゃないか、って思っちゃうよ…。
「…………俺もだよ」
「はい!?」
それ、全然余裕の顔でしょ!?
「昨日のこと現実だって信じたくて、待ってたから。……美里のこと」
日向くんの照れた笑顔が浮かんだ。
…もう、ズルいって。
そうやって、私を喜ばせるんだ。