これは、恋じゃない。(完)
「さっきメール来てたんだけどさ、鈴、帰ってくるみたいだね」
「―――えっ?」
「あれ?聞いてない?」
「あ、うん…初めて聞いた…」
鈴ちゃんは、私の友達…そして、日向くんの遠距離恋愛中の彼女。
日向くんが唯一、名前を呼び捨てにする女の子。
――…
――小学生の頃、私たち3人は同じ友達グループの中にいた。
転校してきて一人だった私に、最初に声をかけてくれた女の子が鈴ちゃん。
すぐに友達の輪の中に入れてくれた。
一緒に勉強もしたし、遊びにも行った。
すごく楽しい想い出。
鈴ちゃんはすごく素敵な子で、みんなの憧れの存在だった。
――日向くんと並んで。