これは、恋じゃない。(完)
――そんな楽しい日々は小学校を卒業するまでだった。
中学に入ってからは、私と日向くんは同じクラスになったけど、鈴ちゃんや他の友達はバラバラになった。
他のクラスの子とは会ったら挨拶する程度になってしまって、自然とみんなで集まることはなくなった。
唯一同じクラスの日向くんとも、頻繁には話さなくなった。
――そして、忘れもしない中学2年の冬。
鈴ちゃんと久しぶりに会って話した。
「私ね、彼方のことが好きなの」
「―――…」
突然の鈴ちゃんからの告白。
日向くんへの想い。
言葉が出なかった。
鈴ちゃんはそんな素振り一度も見せたことなかったから…
私と同じ気持ちを持っていたことにショックを受けた。
……私もずっと日向くんを好きだった。
淡い恋心。