これは、恋じゃない。(完)
それからすぐだった。
鈴ちゃんが引っ越すって聞いたのは。
中学3年に上がると同時に、鈴ちゃんは遠くへ行ってしまった。
頻繁には遊ばなくなっていたとは言え、小学生の頃からの大好きな友達がいなくなる…。
寂しくて仕方なかった。
でも、私以上に二人は不安な気持ちでいっぱいだったと思う。
なのに…私は何も言えなかった。
『二人なら離れてても大丈夫だよ!』
このたった一言が言えない私は…
なんて心の小さな人間なんだろう…って自己嫌悪でいっぱいだった。