シアワセの意味
その後の入学式はサラッと終わった。
エスカレーター式だからね。
高等部の先生とは何回か会ったこともあったし。
「あ~。まじで嫌なんだけど、6組きっつい」
クラスでのHRも終わり、私たちは舞ちゃんのクラスに
集まっていた。
「健人どんまい~!」
「ったく。光介クラス交換しろよ」
「無理~!」
「梓も俺のがいいだろ?毎日刺激的だよ?」
「えっ、ああ…えっと…」
「健人が言うと変な意味に聞こえるわ!」
うん、光介くんに同感。
健人くんてほんとにプレイボーイだし、それに…。
「あ、そういえば俺のクラスに何か妙に雰囲気違う
奴いたよ」
「隼人のクラスってことは俺たちの隣か!」
「確か名前は…」
「あーっ!」
えっ、何っ!?
声の主は普段大声を出さない咲菜ちゃん。
話を遮られた隼人くんはかなり顔を歪ませている。
「何だよ、咲菜…」
「今日、先生に、呼び出しされてたの!
すっかり忘れてたあ…。ちょっと今から行ってくる!
多分直ぐ終わるからみんな待ってて~っ」
早口にそう言うと咲菜ちゃんは教室を飛び出した。