シアワセの意味
「ねぇ、ねぇ梓ちゃん」
「ん?」
ちょうど昇降口に着いたとき、いきなり舞ちゃんが私の
腕を掴んだ。
もう直ぐそこにクラス表があるのに。
クラスを確認して、一旦クラスに行かなきゃなんだっけ。
それで入学式が体育館で9時半からで…。
「やっぱり今日から鈴堂学園で高等部に通うって人も
いたりすんのかなあ?」
「うーん。1人や2人はいるんじゃない?」
「…だよね。じゃあ、その人たちもきっと…」
…きっと、何か問題を抱えていたり過去に何かがある
人たちなのかな。
って、舞ちゃんは言いたいのかな。
実際に私たちがそうだから。
「…朝から暗いよ舞ちゃん!明るく!ね?」
「…そうだね!私たちが気にすることじゃないか!」
鈴堂学園は謎が多い。
そして噂もたくさんある。
その噂で、生徒たちは時々不安になるの。
だけど、決して暗い学校じゃなくてみんなが明るくて
ほんとに活気がある学校。
だけどやっぱり、周りの印象は良くないみたい。