夏の1日
もう、何度目になるか分からないが、インターホンに手を延ばした時、ドアの向こう側に人の気配がした。
ガチャ…
ど、ドア開いちゃったよ!?
アタシはいったいどうしたらいいんだ?
に、逃げていいだろうか?
くるりと、踵を反しその場を立ち去ろうとしたら、大好きな人の、訝しげな声がした。
「何やってんの?人ん家の前で…」
と、かなり呆れられた顔をされてしまった。
「あぁっ!?う゛〜えっと…」
アタシはと言うと、混乱してちゃんとした言葉が出ない。
これじゃあ、本当に変なヤツって思われたかもしれない…
「早く入ったら?約束の時間からかなり時間たってるんだけど?」
宏人はそう言うと、アタシの腕を引っ張り家の中に入る。
握られた腕が、熱を帯びるのは気のせいだろうか?
ていうか…あぁ、アタシとうとう処女じゃなくなっちゃうんだ…