夏の1日



「それにね?それに…アタシ…本当にっ!!緊張してるの!!」



アタシは真っ赤になって言った。



今日はずっと心臓がドキドキと走り続けている。



そして、今がピークに達していると思う。



だって、アタシと宏人は今日一番ってくらい、接近しているから。



「そんなこと?本当に可愛いよ、優ちゃん?」



宏人は真っ赤なアタシを抱きしめ、おちょくるような物言いでアタシの頭をバシバシ叩く。



こんな仕草も大好き。



あ、アタシって軽くマゾなのかも?



そんな、どうでも言い事を考えていたら、上から少しぶっきらぼうな宏人の声が聞こえてきた。



「それに…」



──宏人が言ったこと



嬉しくもあり



恥ずかしくもある



そんな言葉。



「…それに俺も緊張してるし…好きな女と初めての時に、緊張しないヤツなんていねぇって…」



その言葉で、アタシの体温が上昇したのは、体温計なんかなくてもわかるよ。



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