彼が残した物
彼との出会い

入学

私、花園(はなぞの)漓罹華(りりか)は今日から中学2年生になりますっ。
内気で、人に強くなにかを言うことが出来ないから、小学校のときはいつもパシリにされてた。

だから、中学になったら、変わろうって決めてた。

気が強い人間になる。

そう思ってた。

私が、登校したら心友の菜原(なのはら)愛羅(あいら)がいた。

「愛羅っ!」
「ぁ、漓罹華ぁ~おはよぉ~」
「クラス、見た??」
「うぅん、まだだよぉ」
「なら今から一緒に見に行こっ!!」
「いいよぉ」

相変わらず、のんびり屋の愛羅のしゃべり方は独特だ。

ま、そんなとこも愛羅の魅力かもね。

「あ、私の名前あったっっ!!」
「私もぉ。私ゎ、4組だよぉ」
「うっそっ!!私も4組だよっ!!」

なんて盛り上がってたら、後ろから

「花園じゃん」

っていう声がした。

振り返るとそこには、私をいつもパシリにしてた女子、佐上玲奈(さがみ れな)と澤村麻紀(さわむら まき)がいた。

「あ・・・」
「ちょっとっ!!てめぇらまた漓罹華に嫌がらせかっ!?あぁ!?」

そうきつく言い放ったのはなんと、愛羅だ。

愛羅は普段は大人しくて、可愛くて妹みたいな子なんだけど、切れると人が変わったみたいになるんだ。

「豹変女には関係ないでしょ!?」
「あぁ!?なんだって!?もう一度言ってみろよっ!?」
「お前の耳はちゃんと機能してんのか!?」
「はぁ!?してなきゃなぁ・・・」

「もうやめてっ!!」

「「「・・・」」」

佐上と澤村、愛羅が一気に静かになった。
顔の温度が急上昇する。

「り、りか・・??」

「私は、もう、佐上と澤村の言うことなんか聞かねぇからなっっ!!」
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