彼が残した物

「えぇ、今日からこのクラスの担任になりました、歌柳(かやなぎ)頼(らい)です。みんなと素敵な1年間を過ごしたいと思っています。」

そういったかと思うと、急に素敵なターンをして決めポーズ。

「どうぞよろしく。」

・・・。

クラスに微妙な空気が漂った。

「よろしくぅーっ!!」

そう言い放ったのは隣の原君。

それを合図に、みんなが口々に「よろしくーっ!!」と言い始めた。

先生もなんだか嬉しそう。

明るい雰囲気になった。

そうしているうちに休み時間になってしまった。

愛羅と学校探検をしようと決め、私達は学校探検へ。


          
――――――この探検が私の『これから』を変えることになった。



「いやぁ、先輩に見られるって怖いねぇ」

なんて言いながらも先輩の間を堂々と歩く愛羅。

その横で「すみません・・・」とつぶやきながら歩く私。

不釣り合いだ・・・。

誰が見ても変な2人組だ。

そんなことを思ってると、1人の先輩が声をかけてきた。

「ねぇ、あなたたち、1年生??可愛いねっ!!」

「ぁ、ありがとうございますぅ」

「どうも・・・。」

「ふふっ。面白い2人ね。ねー、紗璃奈(さりな)ぁー。来て。新1年生だよっ!!」

「本当だ。こっちの子はぬいぐるみみたいに可愛いっ!!」

そう言って紗璃奈さんが指差したのは愛羅。




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