彼が残した物
なんて懐かしい回想をして、ボーっとしていた私の顔を覗き込んできた神君。

「なんだ??どうした??元気ねぇな。」

「っ!!そんなことないよっ!!っていうか神君、久しぶり。1年ぶりだもんね。」

「ふっ。塾でも会ってんだろ。」

そう言って私の頭に手を置く神君。

私は神君が少し声を漏らす程度に笑う時、笑った後に私の頭に手を思いてくる時が好き。


そういうとこが好きなんだ。



「神君、そのぉ・・・。」

彼女さんとはどう??・・・。

そう聞きたいのに聞けないよ。

「どうした??」


「・・・。」

黙りこくる私。

言葉がのどに引っ掛かってる。


「今は言いにくいことか??なら、今日の5時半くらいに電話するからそんときに話すか。」

こくりとうなずく私。

「ありがとう。」

「じゃあな。」

手を振って去っていく彼の後姿。

電話、楽しみだな。

まだこんな風に思ってしまう私ってもしかしてまだ・・・。

「今のって、漓罹華の初恋ナイトだよねぇ??」

あ、愛羅・・・。

「うん。」

「神、だっけ??っていうか漓罹華、顔真っ赤ぁ。もしかしてまだ想ってるのぉ??」

周りの先輩がざわめき始めた。

「え、漓罹華ちゃんって、あの神狙い??」

「うちの学年、あいつより格好いい人いるのにね。」

「でも、似合うんじゃない??あの2人なら」


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