彼が残した物
「それは・・・。」

『それは??』

「分からない。」

『そっか。』

「答えられなくてごめんね??」

『ううん。いいよ。俺こそこんな質問してごめん。』

「いいよ別に。」

『うん。』

「じゃあ、切るね??電話してくれてありがとう。」

『おう。』

「神君と久しぶりに2人でしゃべれてよかった、嬉しかった。」

『そんなこと言うなっ!!照れる。』

「ふふ。じゃあ、ね??」

『おう。じゃあ。』

そして寂しい機械音だけが私の耳に届いた。

別れ・・・たんだ。

心の中で喜んでる私が憎いよ。

神君の幸せが1つ消えたことを喜んでる私が憎い、醜いよ。

神君、ごめんね。

ごめんね。

私、きっとまだあなたのことが好きだから。

こんな醜い喜びがあるんだと思うよ。

ごめんね。

あなたの幸せを願えないような私で、ごめんね・・・。
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