龍桜~双子の最強暴走族~
蓮が入院して一ヶ月がたった。
お母さんたちはまだ帰ってこない。
お母さんたちどこいったんだろ…

蓮がこんなに苦しんでいると言うのに。

「ん…」
え?
今声が?!

「蓮?!蓮?!」

「ん…ねぇちゃん…ここ。どこ?僕は…確か…」

「ここは病院。私が一ヶ月前に公園で遊んだ後家に帰ってきたらリビングで蓮が倒れてたんだ。ねぇ?だれにされた?」

「ああ…そっか…僕…生きてたんだ…良かった…死んでなくて…
僕を刺したのはね?
母さんなんだ…」

え?

母さん?
かあさん?
カアサン?

オカアサン?

「どっ…どうして?なんでお母さんが蓮を刺さなきゃいけないのよ!」

私は涙をポロポロポロポロ流した。

「わかんない。でもねぇちゃんと僕の事をにくかったのかもね。」

「え?」

「僕を指す時にさ?お前さえいなければ…おまえさいいなければ!ばっかり言ってたんだ…ねぇお姉ちゃん、僕…もう無理だよ…くっ…あの家にいるの…怖いよ…ヒクッもう…おねぇちゃん…あの家が怖くて怖くてたまらないんだよ…」

蓮もポロポロポロポロと涙を流している。
蓮。れん。れん。

ぎゅっ。
私は思い切り蓮をだきしめた…

「蓮!ごめんね…私があのときいたらこんな事にはならなかった…わたしがいたら何かかわっていたかもしれないのに…」

「ねぇちゃんのせいじゃないよ?ねぇちゃんは自分のことをせめすぎだよ…悪いのはぜんぶあの夫婦だ。ねぇ?僕がこの病院退院したら…まだはやいけど。出ていこ?」
蓮…

「うん!私はもう覚悟はできているから!一緒に何処かに行こう!蓮!」

まだどこにいくか決まってはいないけれど…
「うん…」
誰か私たちの事をひろってくれるのかな?
誰にもたよらず二人で生きていけるのかな?




そして…




蓮。退院の日
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