心恋ふ
序章


薄暗い6畳の和室に、着物姿の二人の男が暗い表情をしてお茶を啜っていた。











「……本当にアイツをあんな場所に行かせるのか?」

「あなたがあんな場所に…何て言っちゃだめですよ。 それと、これはもう決めたことなので……あの子なら大丈夫です」

「お前がそう言うのなら……」

「でも、復讐は成し遂げるでしょうね」

「………」

「そして、あの子は復讐を完璧に成し遂げさせるために自分で死を選ぶでしょう」

「!?」

「そうすれば全てが終るって信じてるんですよ……本当、馬鹿ですよね」

「お、おい!そうなったらアイツは……」

「えぇ、
あの子が復讐だけを胸に秘め、全てを終らそうとしたら……





















あの子は2度目の“死”を経験するでしょう」
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