だから、笑わないで。
帰り道、リンはどうやって帰ったのか覚えていない。
気付いたら家にいたのだ。
レンの姿はみえない。
リンのなかの疑問がつながった瞬間だった。
入院中、リンは憂のお見舞いをレンと一緒にいったことがなかった。
誘ったら断られたのだ。
でもリンは、ふたりでいたいのだろうと思い、そこまできにとめていなかった。
だけど、もしかして、レンと憂がもうすでに別れていて、一回もお見舞いに行っていないとしたら?
憂がパニックになった原因は、レンとの別れだったとしたら?
憂のすべてはレンだったのだ。
どっちにしろ、リンには辛いだけだった。
レンと憂が別れてないにしろ、別れたにしろ、憂はレンのせいでパニックになったことはほぼ確定だろう。
パニックになったことイコール憂のすべてはレンということになる。
憂の脳は心が壊れるまえに、パニックになったのだ。
それが憂の最大の防御だった。