だから、笑わないで。



ポテトをつまみながら、憂もため息をついた。
テーブルの上に出ていたリンの携帯が震え出す。




「…………ん?…………ごめん、ちょっと」




着信を確認したリンは電話に出る。




「…………ああ……うん…ってかそんなこと、メールでいいじゃん。それか母さんに直接言えば?…………わかったって。言っとくから……うん……………うん、はいはいじゃーね」




リンは電話の相手を適当にあしらうと、携帯を乱暴にカバンにしまった。
杏子も憂もだれからの電話か、大体検討がついていた。




「………レンくん、かわったねー」
「……うん…」




冷めた目で、杏子はつぶやく。



記憶はあの半年まえにさかのぼる―…






< 109 / 194 >

この作品をシェア

pagetop