だから、笑わないで。




「………リンく…ん…」



憂が切なそうに呼ぶ声に、全身の血がかけめぐった。



気がつくと、俺は憂を抱き締めていた。



憂は抱きしめられながら、俺に身をゆだねてくれた。


「…………リンくん……?」
「……す……」



"好き”この二文字を言えば、どれだけ楽になるんだろう。

でも、言わない。
言えない。


君も、レンも不幸にすること、言えない。


ただ、怖いだけなんだ。
レンと憂を失うのが。





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