だから、笑わないで。
リンは腕を組み、苛立ったように顔を歪める。
「……そんなん信じると思ってんの」
「信じるもなにも事実だし」
「…なわけない。お前は結婚の約束まで憂としてたろ」
「………!…永遠なんてないんだよ」
永遠なんてないんだよと笑うレン。
悲しそうに呟く。
でもその瞳には、確かな意思が宿っていた。
「…………永遠は、あるよ」
「…………―」
「俺が……作って見せる。好きな女?笑わせんな。俺はお前がどんだけ憂が好きかを知ってる。大切にしてるかも。言えよ、レン。本当はなんで別れたんだ?おどされたのか」
真剣に、でも心配そうに聞いてくるリンに、レンは胸が痛んだ。
すべては、嘘だから。
「…………ちがう……ちがうリン…憂のことは確かに好きだった…お前の言った通り、結婚の約束もした。憂しか要らないとおもった。でも……俺は憂以上の女に出逢ったんだ……それだけ」
「……うそだって…うそだって言えよ、レン。いまなら、まだ間に合うから」
リンはレンの肩を揺さぶるがレンはうつむいたままだった。
「本当だよ………上村美亜だ」
「………上村美亜……?」
上村美亜。
喰った男は数知れず、去るもの追わず、来るもの拒まず。
学校でも有名な女だった。