だから、笑わないで。
リンはしばらくそこにたたずんでいた。
そしてゆらっと動き始めた。
事実を確かめるために。
リンは1組へ急いだ。
美亜は1組だからだ。
1組のまえには仲良さそうにレンと美亜が笑って談笑していた。
美亜はレンの手を握り、時々だきしめている。
「…………………」
「それでねっ、レンっ…」
その呼び方にリンは固まった。
レンは憂と杏子以外にレンとよばせていなかったからだ。
憂や杏子さえレンくんなのに、美亜はレンとよんでいた。
リンはレンと美亜の関係は事実だと悟った。