だから、笑わないで。
俺は憂を離すと、タオルを頭にかけてやる。
「………風邪…ひくよ…着替えな」
俺は憂の手をひいて、保健室に連れていった。
そして保健室のベッドに押し込むと、カーテンをしめた。
五分くらいたって、憂はカーテンをあける。
「……憂……」
出てきた憂はやっぱりまだ悲しそうで。
「……まだ、ぬれてる」
俺はタオルで髪をふいてやった。
憂は大人しくふかれている。
「……カーデぬれてる…」
どこでぬらしたのか、憂のカーディガンはベトベトだった。