だから、笑わないで。




俺は憂を離すと、タオルを頭にかけてやる。



「………風邪…ひくよ…着替えな」



俺は憂の手をひいて、保健室に連れていった。


そして保健室のベッドに押し込むと、カーテンをしめた。


五分くらいたって、憂はカーテンをあける。


「……憂……」



出てきた憂はやっぱりまだ悲しそうで。



「……まだ、ぬれてる」



俺はタオルで髪をふいてやった。
憂は大人しくふかれている。



「……カーデぬれてる…」



どこでぬらしたのか、憂のカーディガンはベトベトだった。









< 12 / 194 >

この作品をシェア

pagetop