だから、笑わないで。



ポカポカあったかいホットレモンティーを握りしめながら、あたしはしばらくの間眠った。




「うーいっ!憂っ!」
「ん、ふにゃあ…」
「もう下校時刻だよ!帰ろう!」



目をさましたら、杏子が笑顔で立っていた。



「………?」
「ほらっ、制服かわいたよ!着替えていこ!」


バサッとあたしの制服をなげつける杏子。
あたしの顔に見事クリーンヒットした。



「………え?あれ…?…あたし…はだかだったはずのに…それに下着もべとべとだった…」
「わたしが脱がせて、乾燥機にいれたの。下着もね」



杏子は冷蔵庫をあけて、勝手に麦茶を飲んだ。


「あ、そうなんだ。ごめんね…」
「全然いいって!それよりリンくん、困ってたよ!憂のベッドのぞいたら、ねてるしはだかだったから!あの慌てよう、逆におもしかったよ(笑)」
「あは、カッターシャツ気持ち悪かったから」




憂はササッと下着をつけるとカッターシャツを素早く来た。
スカートもはき、靴下もはいて準備万端だ。



「あっ、準備できた?ならいこ~」
「うん……リンくんは? 」
「帰ったよ。照れるとかいって。うける」
「なんかあたしも照れちゃうなぁ~」



でもゆめのなかでリンくんに喋りかけられたこと、うっすらおぼえてる。





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