だから、笑わないで。
俺は自分のカーディガンをぬぐと、憂に差し出した。
「これ、俺のだけど。よかったら着てなよ」
カッターシャツだけになると、さすがにすこし、肌寒い。
だけど俺は笑っていった。
憂はあわてて、首をふった。
「……いいよ…っ…リンくん、さむいでしょ…?」
声には焦りと動揺がみられる。
「いいよ、さむくないし」
尚も言う俺に憂は心配そう。
「まじで、いいよ?」
俺はにっこり笑顔でいうと、やっと安心したのか憂は笑顔でありがとう、と言った。
教室に戻った俺らはレンと杏子に囲まれた。
「おおおーっ」
なぜなら憂は俺のカーディガンを着たため、ダボダボでスカートが見えなくなっていた。
さらにニーハイソックスにしたため、レンはでれでれだった。