だから、笑わないで。




下におりると、ちょうど晩御飯が出来上がったところだった。
あたしは盛り付けなどを手伝う。
リンくんも食器やら、はしやらを並べてくれ、予定よりも早く晩御飯が出来上がった。




いただきます、といってあたしとリンくんは晩御飯を食べ始めた。
お母さんはとても嬉しそうにそれを見ていた。


リンくんはとても美味しそうにぺろりと食べ終えてしまった。



「ごちそうさまでした。とても美味しかったです」



そう言ってリンくんは食べ終えた食器を下げた。
あたしもいそいで口のなかに詰め込み、お茶で流し込んで食器を下げた。
そして洗い物を開始しようとする。




「あっ、そうだ憂」
「えー?」
「さっき飲んだコップ、上にあるけどいいの?」
「あっ、そうだった!ちょっとあたし持ってくるね」




そう言ってあたしは階段をかけ上る。
リンくんとお母さんが何かを話していたような気がしたけど気にせずにかけ上がった。
ついでにトイレにも済ませ、コップをふたつもって下がってきた。






「……あれ?リンくん、お母さんは…?」





リビングにはリンくんだけで、お母さんの姿はみえない。




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