だから、笑わないで。
「……ねー、リンくん」
「……ん?」
あたしもミルクティーを片手にソファに座り直した?
「あたしね、レンくんと美亜ちゃんが付き合ってるの、すごく悲しかったんだ。レンくんはずっとああいうこがよかったんだって思ったらかなしくて」
「そんなことな…」
「ほんとにかなしくて、気付いたら病院だったの。でもね、今はそれほどかなしくないよ。だってリンくんがいるんだもん」
あたしが笑って言うとリンくんはぽかんと口をあけながらあたしをみる。
「ありがとう!」
さらにあたしは満面な笑顔で言う。
リンくんはなにも言わずにコーヒーカップを手に取ったあと、
「……俺は元気な憂が好きだよ」
そう、一言いった。
その一言にあたしは思わず赤くなった。
「……え…っ…あ、あの…っ」
あたしが言葉につまっていると、リンくんはコーヒーカップをおいて真っ直ぐな瞳であたしを見つめる。
「………憂………俺……」
どきん、と胸が大きく鳴った。
真剣なリンくんの瞳。
リンくんの手があたしの頬に触れる。
真剣な瞳が段々と近付いてくる。
あたしはリンくんから目をそらすことが出来なかった。
ううん、目をそらしたくなかったのかもしれない。
「……っ…り………んく………ん…っ」
ぎゅっと目をつぶる。
だけどリンくんがそれより近付いてくることはなかった。